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法政大学/学生運動/斎藤いくま公式ブログ
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私にかけられた無期停学処分の撤回を求める。

 本処分には、今日の大学の腐敗が凝縮して示されている。学生の声を無視し、御用学生団体を通じて一方的に管理、規制強化を進める大学当局を批判する事が「大学への名誉毀損・迷惑行為」「学生への迷惑行為」。こうした大学の在り方に対し、集会等で抗議を行う事が「業務妨害」。
これらは政府が、大学改革を掲げ、大学自治の解体と総長権限の強化を通じて、大学の国家統制強化と戦争動員を狙っている事と完全に一体だ。法大当局と国家権力が結託し、キャンパスから国策と営利追及の障害となる要素を一掃しようとした結果が、法大闘争における126名の逮捕と13名の処分なのであり、その一環としての私への処分なのだ。

 とりわけ放射線影響研究所(以下放影研)理事長、大久保利晃への「授業妨害」は、法政の原子力ムラとしての本性を示して余りある。
 そもそも現在、福島県で疑い含め117名もの小児甲状腺ガンが発見されているにも関わらず、政府が原発事故の影響ではない根拠として挙げている。「100ミリシーベルトまで安全」論、低線量被曝、内部被ばくの軽視は、放影研の前身機関であるABCCが広島、長崎の被爆者を対象に行った疫学調査により収集されたデータを元にしている。しかしその「調査」は「検査すれども治療せず」の悪名で知られている通り、アメリカの原子力政策に奉仕すべく、原爆による被害の実態を調査した上で、それを隠蔽する為に行われたものだ。
 こうしたABCCの国策機関としての性質は施設や人員と共にそのまま放影研に引き継がれている。
 放影研は2011年12月に「黒い雨」を浴びた1万3千人分のデータを保有していた事が暴露され、件の大久保の授業が行われた翌12年には「黒い雨によるガンリスクの増加は存在しない」とする見解を発表した。
 しかしこれは黒い雨を浴びたと証言した被爆者とそうでない被爆者という「被爆者同士」を比較し、がんや白血病による死亡や罹患率に「有意な差が見られない」としたものに過ぎない。その上で長崎で黒い雨にあったと答えた734名の被曝者については、固形がんの死亡比率が30%高いという結果が出たにも関わらず「データが少なく、意味のある結果とは言えない」と一蹴したのだ。

 要は放影研は黒い雨のデータを隠蔽する事により政府の補償責任を免罪し、その事が発覚するや否や黒い雨による健康被害を正式に否定したという事だ。
 これは3・11以前は原発安全神話を撒き散らし、それが崩壊するや否や放射能安全神話を垂れ流す御用学者の在り方と全く同じだ。ABCCにより原発投下直後に収集されたデータはこうして放影研に引き継がれた上で、独占、隠蔽、歪曲され、今も政府の福島棄民政策に利用されているのだ。
 また今年に入って放影研は、東京電力福島第一原発事故発生後9か月間に、同原発内で作業にあたった約2万人全員を対象に、生涯にわたって「健康調査」を行う事を発表した。放影研が原爆の被爆者と被爆者家族以外を調査するのは今回が初めてであり、原発作業員全員を対象とする調査自体もこれまで行われていない。
 政府が本来放射線作業従事者にしか認められていない年間20ミリシーベルト以下という被曝線量の地域に住民を帰還させようと、国道6号線の再開、常磐道の開通に象徴される「復興キャンペーン」に邁進する現在、この「調査」が意図するところは明らかだ。それはかつてのABCCと同じく、放影研が被曝者の調査を一手に引き受ける事でそのデータを独占し、政府の原子力政策に沿う形で再び放射能被害に関する基準値を策定しようという企てに他ならない。
 これまで述べてきたように放影研は政府の御用機関として放射能による健康被害の矮小化に奔走し、現在も3・11後の福島において犯罪的な役割を果たしている。同機関の理事長である大久保利晃自身、郡山市の原子力災害対策アドバイザーとして、政府の福島棄民政策に最先端で加担している人物だ。

 私を処分した直接の下手人である前法政大学国際文化学部学部長である鈴木靖は、本裁判の証人尋問において「大久保利晃が社会的に『御用学者』であると指弾されている事について、認識しているか?」と問われると、彼を「国際的にも非常に活躍している研究者であるから、本学も招いた」とした上で「先生のお考えが正しいかどうかというのは様々な立場があり、それを妥当であるか判断するのは受講生一人一人である」と述べた。
 しかし実際には鈴木靖自身、理由も明かせない私への講義からの不当な排除が行われたのだ。反対言論を封殺しながら、学問の公正中立を掲げ、あたかも批判の自由が保障されているかの様に装われた大学。その中で培われた「権威」こそが御用学者を生み出し、学問の名で、現実に原発事故による放射能被害を隠蔽している現実が、ここにハッキリと表れている。
 現総長・田中優子は私への処分を認めておいて「反原発」を掲げているが、全くのお笑いぐさだ。法政大学のあり方こそ原子力ムラとしての大学のあり方そのものだ。

 また原子力ムラと同じ構造で安倍政権によって大学の戦争動員が狙われている現在、本処分に見られる法政大学のあり方、一切の学生の主体性、政治活動を禁圧し、営利を至上命題とする大学の新自由主義化は大学の戦争協力問題にも直結する。
 1月16日、産経新聞の一面が「東大軍事研究解禁」と大々的に報道した。東京大学の濱田総長が、軍事研究原則禁止とする教職員組合との協定を一方的に破棄し、「軍民両用技術研究を容認する」旨の声明を発した為である。これは昨年5月に防衛省から軍事研究の協力要請を受けた東大が、上記の協定を理由に拒否した事を考えると極めて大きな転換だ。背景には安倍が成長戦略の一環として掲げる「大学改革」、そして一昨年の12月に閣議決定した「大学の軍事研究の有効活用をめざす国家安全保障戦略」および「7・1閣議決定」という国家意思がある。
 さらに防衛省は今年、過去最大の5兆円もの予算を計上し、その内の約20億円を大学と連携して最新の軍事技術の開発を行う為の基金制度の創設にあてる事を発表した。
 ただでさえ教育への公的支出がいわゆる「先進諸国」の内最低クラスの日本で、ますます大学教育への予算を削る一方、軍事費を膨大化させ、軍事研究に協力しなければ大学間競争に生き残れない構造が作られようとしているのだ。今回、軍事研究原則禁止を明文化していた東大が転向した事により、戦後の大学で根強く守られてきた「軍事忌避」の伝統が一挙に崩されようとしている事も、この構造の成立に拍車をかける。

 時代は戦争へと向かっている。安倍政権による侵略戦争国家化攻撃が、今通常国会における集団的自衛権行使関連法(安保法制)制定と憲法改悪(9条破棄)というかたちで、推し進められようとしている。本処分の「政治弾圧」としての本質は、この事実を抜きにして語ることはできない。
 「08年リーマン・ショック」以来の世界大恐慌が深まり、アメリカを先頭とする大国間の市場争奪戦が激しさを増し、それは「中東(イラク・シリア)」「ウクライナ」「東アジア」で現実の戦争として火を噴こうとしている。いや、現実に、もうすでに戦争は始まっている。「日本人人質事件」を口実に、安倍政権は「テロ撲滅」「邦人救出」を叫んで、「有志連合」の中心で自衛隊の海外派兵と武力行使にのめり込もうとしている。
 戦争とは、自国の労働者民衆を兵士としてかり出し、ほんの「1%」の資本家や政治家の利益のために他国の民衆と殺し合わせることだ。安倍の唱える「国民の生命と安全を守る(ために戦争をやる)」など大ウソだ。戦争とわれわれの生命は根本的に対立する。安倍がいかに労働者民衆の生命と尊厳を踏みにじっているか、それは福島を見れば、沖縄を見れば、そして非正規職に突き落とされる青年の現実を見れば一目瞭然ではないか。
 安倍政権は戦争をやろうとしている。大学がそれに全面加担しようとしている。そして、戦争に反対して闘う労働者・学生の運動を暴力的につぶそうとしている。

 こうした中、我々はこれまで国家権力の介入を退けるものとして一般的に通用してきた「大学自治」や「学問の自由」といった概念が、逆に国家による大学支配と戦争動員の論拠にされようとしている状況に直面している。
 そして田中優子に代表される既成左翼はこうした状況に与し「大学改革」には賛成だが、「改憲、戦争」には反対などどペテンを弄して、安倍の戦争政治を「左」から補完しているのだ。
 だからこそ昨年に法大田中優子体制が性質して以来、学生に対する管理、規制強化と弾圧はより一層激しくなっている。足下の法大闘争の存在が田中優子の犯罪性を日々大衆的に暴き出している。
 今年の3月11日、先に述べたように大学の「権威」すら利用した「復興・帰還キャンペーン」の中、福島県郡山市で開催された「3・11反原発福島行動」が、全国から労働者・学生・市民が集まって1100人の結集で打ち抜かれた。福島原発事故をもって暴かれた大ウソは、人々の激しい怒りの的になっている。
 私は、全世界で大失業と戦争、「1%」の資本家階級の支配に抗して立ち上がる数千万数億の民衆と連帯・団結し、この弾圧を必ずうち破る決意だ。

 本裁判は戦争に突き進む国家体制の構築と、その中における大学の度し難い腐敗に対し、裁判所がどういう態度をとるのかが問われている。裁判所は私への処分撤回の判決を出せ!

以上。
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