法政大学/学生運動/斎藤いくま公式ブログ
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文化連盟ブログより転載
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お礼とご報告 (4.19学生弾圧救援会)
2012-05-27
「原発いらない! 4・19法大包囲デモ」において、公務執行妨害容疑で不当逮捕されていた大学生=A君(21歳、明治学院大学社会学部在籍)が、この度無事釈放されました。5月10日16時過ぎ、勾留満期である23日ギリギリの不起訴奪還です。カンパや激励等、様々な形で救援活動を支えてくれた多くの皆さまのご厚情に、心より深謝致します。公務執行妨害の事実はなかった
不起訴釈放を受けて、私たちが改めて訴えなければならないことは、「やはり、公務執行妨害の事実はなかった」という点です。検察官記録によるとA君は、デモ行進の規制整理活動に従事していた警察官=影山浩二巡査部長(39歳、第8機動隊第2中隊所属)の右顎を左手手拳で殴打し、また、左鎖骨を右手手刀で殴打したことになっています。しかしながら、このような事実無根の嘘で人を起訴することはできなかった。実際4月19日に現場で起きていたこと、それは、警視庁公安部及び機動隊によるデモ隊列への過剰な圧縮行為、挑発行為であり、A君は、これら不当行為に対してデモの正当な権利を主張する過程で、公務執行妨害をデッチ上げられた、というのが事件の真相であります。
本件が法大学生運動潰しを企図した「不当逮捕」であることは、A君を逮捕・勾留した公安刑事、公安検事自身、よくご承知のことだったと思います。勾留された23日間、A君は毎日長時間にわたる取調べを強制されましたが、公務執行妨害の被疑事実に関する案件はほとんど一切聞かれなかったからです。代わりに、警視庁公安部の杵月警部補や東京地検公安部の石塚検事は、「○○は人間のクズ」「○○はアバズレだ」といったA君の友人・知人への罵倒、「弁護士の○○は最低な奴だ」といった弁護士への人格攻撃を繰り返していました。更には、「学生運動をやめろ」「お前らの未来は連合赤軍だ」といったA君の思想信条に踏み行った恫喝を飽くことなく繰り広げていました。また、「○○は始めのうちはビラまきに来ていたが最近はもう来ない。お前のことを見捨てた」といった事実とは異なる嘘も、A君に周囲への不信を煽り、交友関係にヒビ入れるため平然と繰り返されました。
このような取調べを騙った非道卑劣な転向強要こそ、本件が政治弾圧であることの何よりの証左です。警視庁検察庁両公安部に対し、私たちは満腔の怒りをぶつけたいと思います。また、警備委託や被害届の提出といった形で、この間一貫して(119名もの!)学生を公安当局へ売り渡して来た法政大学に対しては、怒りを通り越して絶望しています。かの大学は、「公安警察との結託」という教育機関として決して踏み越えてはいけない一線を、もはや踏み越えてしまっているのです。
「119名逮捕33名起訴」という法政大学の異常性
今、かつての法政大学を知る多くの法大OBが、「どうしてこんな大学になってしまったんだ?」と首をかしげています。2006年3月14日の29名一斉逮捕を皮きりに、今回の逮捕に至るまで、法政大学では、述べ119名の逮捕者、33名の起訴者、ふた桁を超える停学・退学処分者が出現しているからです。かつて「自由と進歩」を謳った学園は、今日では、「処分と逮捕」に明け暮れています。「119名逮捕、33名起訴」、一見して異常な数字です。
これらの数字は直接的には学内でのビラまき・立て看板規制や、文化連盟などサークル本部団体の公認取り消し、あるいは学友の不当処分に対する抗議活動を通して積み重ねられていったものです。その意味で、法政大学の一学園問題として片付け易くはある。しかしもっと大きな視点で見たときに、これら学生側と大学側の対立は、一学園内での抗争に収斂されない普遍的な問題を孕んでいると私たちは考えます。それは新自由主義の問題です。
高騰する学費、それによって強いられるアルバイト漬けの生活、奨学金という名の借金、ビラや立て看も許されない不自由なキャンパス、規制・検閲されるサークル活動、内定率が6割を切る中、早期開始を強制される苛烈な就職活動などなど、今日本の大学生は自らの足元を揺るがす困窮に悲鳴の声を挙げています。一連の法大抗争とこれらの困窮に共通するのが、学生の自主性や主体性といった裁量権をないがしろにし、学生を「自ら学び行動する存在」から、「管理する存在」に陥しめようとする資本の要請です。つまり、現在の大学は、学生を教育サービスを購入した消費者として捉えており、そこで追求されているのは消費者を「いかに管理し易くするか」という営利本位の視点に尽きます。学費や奨学金や就活は、学生の手足をあらかじめ縛る、絶好の人質なのです。逆に言うと、くだんの119名の逮捕学生は管理しようにも管理できない「クレーマー」として、暴力的に駆除されていると言えます。
法政に限らず、今全国の大学は、左翼運動を始めとした、自らの営利活動の妨げとなる恐れのある一切の要素を大学から除去しようとしています。しかし大学は本来、そんな研究棟の無菌室のような小奇麗で殺伐とした空間なのでしょうか。多種多様な人種が共生し、種種雑多な表現が交錯する、魅力的な公共空間であるべきなのではないでしょうか。そのために必要なのは、資本の営利や世俗の権力との一定の距離観であり、中立性なのではないでしょうか。批判精神の源泉はそこにこそ宿るのではないでしょうか。
弾圧は一つが全部で、全部が一つです。すべての学生・教職員・市民は、法大を「学生管理のモデルケース」としないための闘いに立ちあがって欲しいと思います。治安警察である警視庁公安部に大学が浸食されている危険性を、これ以上看過してはなりません。
おかしいことには「おかしい」と言い続ける
20年にわたる軟禁生活ののち、先日解放されたミャンマーのアウンサンスーチ―氏は、「本当に価値あるものは簡単には手に入らない」と、あるインタビューに答えています。
憲法に明記されている「表現の自由」や「学問の自由」も、ある日たなぼたで落ちてきたわけではなく、多くの先人達が体を張り、血を流して勝ち取って来た権利です。私たちは憲法の条文にあるから無条件無前提にこれらの自由を謳歌できるわけではない。権利を実践することの中でしか権利は継続しません。おかしいことには「おかしい」と言い続けることが何より大切です。
救援会としての活動はA君の釈放をもって終わります。しかし、次なるA君を生まないためにも、今回の救援活動に集った各人が今後も問題意識を継続して持ち、各々の現場に戻って行きたいと考えます。警視庁公安部、東京地検公安部を筆頭とした表現の自由を愚弄する一切の勢力に、私たちは抗議します。学生を警視庁公安部に売り渡し続ける法政大学の悪政を、私たちは許しません。
救援活動への多くのご協力、本当にありがとうございました。
4・19学生弾圧救援会
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